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回はマズローの欲求5段階説を曼荼羅的に解説したいと思います。

さんはマズローの欲求五段階を知っていますか?
アメリカの心理学者アブラハム・マズローが今から50年前に説いた人間の自己成長に関する考え方です。
マズローは人間の欲求を5段階に分けて、下位の欲求が満たされて初めて上位の欲求に取り組むとしました。

【マズローの欲求5段階】
1. 生理的欲求:食事、睡眠、排泄、性など、人間の生命活動を維持するために必要な欲求.
2. 安全の欲求:危険から守られ、安定した生活を送りたいという欲求.
3. 所属と愛情の欲求:誰かに愛され、認められ、仲間とつながりたいという欲求.
4. 承認の欲求:他者から尊敬され、認められたい、自信を持ちたいという欲求.
5. 自己実現の欲求:自分の可能性を最大限に発揮し、自己を成長させたいという欲求.

海はマズローより1100年ほど前に、「秘密曼荼羅十住心論」という著書によって人間の成長ステップを10段階で記しました。
基本的には二人の考えは一緒です。
動物的な欲求が満たされてはじめて道徳心が芽生えて自分の行動を律し、その後に自己の成長を求めはじめ、他人の為に行動するようになる。
そしてもっと他人の為に行動できることを増やしたいと思い、最後は自分のポテンシャルを超えた目標に向かって努力するという考え方です。

アメリカ人と日本人が時代を超えて同じ答えにたどり着いたということは、そこに人間の自己成長に対する真理があるのだと思います。

こで興味深いのは十住心論における最下層十番目の段階です。
これを「異生羝羊心」と呼び、煩悩(欲望)にまみれた心を指します。
どうしてわざわざ動物のような欲望にまみれた段階を記す必要があったのでしょうか?
最初から道徳心(愚童持斎心と呼びます)を持っている状態からスタートする人も居るのではないでしょうか?
この疑問を先輩の真言宗僧侶に尋ねた時にこう言われました。

「人間は誰でも動物のような欲望を持っている。それを認め、そこに戻りたくないという気持ちと向き合い続けることが、成長し続けたいというエネルギーになる。」

この説明は深く腹落ちしました。
自己成長を続けるためには、強いエネルギーが必要であり、一番嫌な自分に向き合い続けることが大切なんだと思います。

空海の思想の根底には、人間の意思の強さに対する信頼があります。
マズローと比較した時に、より強くそのことを感じました。

あなたには、五智如来のような素敵なコーチはいますか?