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日は空海が曼荼羅に込めたコミュニケーションの取り方についてお話ししたいと思います。

なたは京都の東寺に行ったことがありますか?
東寺は平安遷都(794年)と共に建立された寺院です。
当時は平安京の入り口にある羅生門の東隣に東寺、西隣に西寺が建っていました。
羅生門も西寺も現在は跡地に碑が立っているだけで、東寺だけが現存しています。

空海を相談相手として頼りにしていた嵯峨天皇は、高野山の立ち上げに忙しく京都を空けることが多かった空海を京都に留まらせるために、東寺を託しました。
空海は既に出来上がっていた東寺に講堂のみを追加しました。
空海は高野山を真言密教の修行の場所として開発し、東寺を一般民衆に真言密教を伝える場所として改造しました。
亡くなる時に「身は高野 心は東寺に おさめをく(高野山で入定するが心は東寺に居続ける)」という言葉を残したほど、東寺を大切な場所として考えていました。

海が東寺に追加した講堂に納められているのが羯磨曼荼羅です。
羯磨曼荼羅は一般的に立体曼荼羅と呼ばれている通り、密教の世界観を21体の仏像で表しています。
空海は難解な真言密教の教えを知らなくても、見ただけで感じて理解できるように曼荼羅を残しました。
これまで見てきた通り、胎蔵界曼荼羅は目標達成のモチベーションを表し、金剛界曼荼羅は目標達成のステップを表しています。

れでは立体曼荼羅が表しているのは何でしょうか?

それは、目標達成に向かって努力をしている修行者に対する接し方、つまりコミュニケーションの取り方です。

立体曼荼羅の構成は、中央に如来5体・右隣に菩薩5体・左隣に明王5体がそれぞれブロックを形成して置かれていて、その周りを梵天や帝釈天などの6体の天部の仏様が囲んでいます。

立体曼荼羅を理解する為には、如来と菩薩の違いを知っておく必要があります。
簡単に説明すると、悟りを開いた仏が如来で、悟りを開くために修行中の仏が菩薩です。
真ん中の5体の如来は、金剛界曼荼羅の五智如来です。(それぞれ如来の意味は「曼陀羅と目標達成」を参照してください)。

りを開いた如来が示すのは目標達成の理想の方法です。
ところが人間は分かっていても行動に移せない弱さを持っています。
そんな時は向かって右にいる慈悲と慈愛を表す菩薩が、「修業に疲れていませんか」と癒してくれます。
そして、サボっている時には向かって左の明王が怖い顔で「分かっているならやれ!」と叱ってくれます。

真ん中に目標達成の理想の方法、右に癒してくれる菩薩、左に叱ってくれる明王、その時々の自分の状態に合わせて人に接すること、これが空海の理想とした民衆への接し方、つまりは目標達成に向けて頑張る人へのコミュニケーション方法なのです。

子供の成長に向けて、母親(菩薩)と明王(父親)で役割を分担する子育てにも通じる考え方ですね。

あなたには、五智如来のような素敵なコーチはいますか?